リッツカールトン特集

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サービスの3ステップの紹介

リッツカールトン社員による講演の話しを抜粋し、サービスの3ステップについて解説(紹介)します。

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クレドを理解し、具体的な取組みの中でどのようなことをしていくのか、それが「サービスの3ステップ」です。

私たちが行うべきことは、大きく分けると3つです。

・1つ目は、お客様と出会ったとき、温かい心からのご挨拶をすること。

 お名前がわかればお呼びすること。

・2つ目は、お客様のニーズを先読みしてそれをご提供すること。

・3つ目は、感じのよいお見送り。さよならのご挨拶は心をこめて、

 そのときもお名前がわかればお呼びすること。

この当たり前とも思われるの3つのことを常にすべての場面において、

すべての従業員がすべてのお客様にご提供します。

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ルームメイドというスタッフがいます。ルームメイドの一番大切な仕事は、

通常、お客様のお部屋をお掃除することと理解されています。でもリッツ・カールトンでは違います。

ルームメイドの一番の仕事もこの「サービスの3ステップ」の1つ目なのです。

客室階で掃除をしている最中にお客様と出会ったときに、ルームメイドが最初にするべき仕事は、

いったん手を止めて、「おはようございます」「いらっしゃいませ」「ありがとうございます」

「いってらっしゃいませ」とご挨拶することなのです。

私どもホテルではそれが大事なのです。手をとめてお客様にご挨拶して、

それからまた通常の仕事に戻ればいいわけです。

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これはすべてのポジションにおいて同じです。一言お客様にご挨拶を先にできるかどうか。

なぜならば、この「サービスの3ステップ」、クレドを含めて、「誰々は」とは限定していないのです。

すべての従業員にとって「私は」なのです。それが基本的な挨拶の考え方となっています。

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「心からのごあいさつ」という言葉があります。心からのご挨拶とはどういうものでしょうか?

これには1つ面白いエピソードがあります。

私どもの総支配人はアメリカ人で、約4年前に大阪に、日本初のリッツ・カールトンを開業するために

初めて日本にきました。彼が非常に不思議に思ったことの1つが挨拶です。

たとえばレストランに入りますと、従業員の方が声を揃えて「いらっしゃいませ」といいます。

お客様がお帰りになるときには、全員が声を揃えて「ありがとうございました」といいます。

これは一般的に非常に礼儀正しい気持ちのよい挨拶であると思われています。ただ彼はこういいました。

「挨拶というものは、もっとパーソナルなものではないのか。

アイコンタクトのできる人がお客様のほうを向いて、『ありがとうございます』『いらっしゃいませ』

といえばそれでいいのではないか。お客様に背を向けて、

テーブルを拭きながら『ありがとうございました』というのは、私は挨拶ではないと思う」

私はなるほどなと思いました。心からのご挨拶とはお客様のほうを見て、

アイコンタクトができるスタッフが心をこめてする、それが一番よいと考え、

リッツ・カールトンでの挨拶はそのようにしようと確認しました。

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2つ目の「お客様のニーズを先読みしてこれにおこたえします」。

これはお一人お一人のお客様にとって何が大事なのかがわかるということです。

お客様はグループではなくて、個人なのです。

その方にとって何が大事かをいかに早く正確に理解し、それをご提供できるか、

しかも常にご提供できるかどうかが、お客様に満足していただけるかどうかの決め手であると考えています。

つまり、私どもがこのことにきちんと取り組んでいれば、

お客様には常にリッツ・カールトンを使っていただけますし、

また他の方にもすすめていただけるチャンスがより確実なものになるということです。

お客様のニーズはさまざまです。

たとえば、あるお客様は「羽根枕でなくて、そばがら枕がいいんだ」とおっしゃいます。

あるお客様は常にお泊まりになるときは、タオルを5枚多く欲しいとおっしゃいます。

いつも同じ場所の部屋がいい、いつもフィットネスセンターに行く、

いつも決まったワインをお飲みになるなど様々です。

お客様によっては「とにかく放っておいてほしい。静かに過ごしたい」というのもニーズだと思います。

従業員がお客様と接したとき、お部屋をご案内したり、何かでお話をする機会があったときに、

お客様のニーズをいかに察知できるか、

いかにお客様から情報を得ることができるかどうかが決め手なわけです。

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お客様のニーズをどのように考えるか、1つの例を挙げます。

ザ・リッツ・カールトン大阪はほとんどの客室のバスルームのバスタブとシャワーのブースが別になっています。

足元に置くバスマットはスタンダードでは1枚です。

理由はほとんどのお客様がシャワーかバスタブのどちらかをお使いになるからです。

しかし、中には「私は両方使うので2枚欲しい」というお客様もいらっしゃいます。

客室係が清掃時に、何らかの形で、このお客様には2枚必要だなと気づくこともあります。

この場合の対応として3種類考えられます。

最初の対応は、お客様からご依頼があったときに、

「申し訳ございません。ザ・リッツ・カールトン・大阪ではバスマットは1室1枚となっておりますので、

ご勘弁いただけますでしょうか」というものです。

ここには、1度2枚をご提供すると次からもやらなくてはいけないとか、

このお客様だけにご提供するわけにはいかないから、という発想があります。

2つ目は、お客様が必要だとおっしゃるのであれば、すべてのお部屋に2枚入れるという考え方です。

3つ目の対応、お客様のご要望がわかった時点で、「かしこまりました」とすぐにお持ちする、

もしくはそのままそこにご用意しておく。そしていらっしゃるたびに、常にバスマットが2つある。

私どものニーズの先読みとその対応というのは、この3つ目です。

つまり、お客様がお知らせくださった時にそのお客様にとって大事なことを

教えてくださっていると反応するわけです。

バスマットは絶対1枚ですからと主張するものでもないと思うのです。

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バスマットだけではなく、他の場合にも考えられます。

お客様が特別なご要望をおっしゃったときに、ルールを当てはめるのではなくて、

その方にとって大事なニーズをおしらせいただきありがとうございますという気持ちで対応するということです。

そのお客様のニーズというものは必ずしも無料で提供するということではなく、

お客様がお金を払ってもいいから欲しいとおっしゃることもあるのです。

大事なことは何を望んでおられるかをよく観察して、よく耳を傾けるということです。

望んでおられることがわかったら必ず提供できるプロセスがあるかどうかが決め手となります。

このニーズの先読みには、リッツ・カールトンは大変力を入れております。

「サービスの3ステップ」の3つ目は「感じのよいお見送りを」です。

最後の印象というものは、それまでの経験をすべて決定づけ、次への印象につながりますので、

これまでの2つのステップと同様に重要です。

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以上でサービスの3ステップの講演の話しは終わりです。

「その通り、そうだそうだ。」と思うことがしばしばあります。

しかし、実際には自分もそう、どの店もリッツカールトンの考えとは逆の対応が多い。

この当たり前とも思えるサービスの3ステップですが、実践するのは大変難しいということがわかります。

リッツカールトンでは「当たり前」の教育を徹底していることで、素晴らしいCSを維持しているものと思います。

徹底の仕方について勉強が必要だなとも感じました。

end

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